百足光生氏の新著『荷風と戦争~断腸亭日常に残された戦時下の東京』(図書刊行会 定価 本体3,600円)が出版されました。下は版元の解説文です。なお同氏は5月14日開催予定の「MM会」(畠山茂樹氏・高16回が主催する勉強会)で講師を務めます。
<作家永井荷風の「断腸亭日乗」の昭和15年から20年3月までの記録を元に戦時下の東京を描き尽くす。戦争、世相、食糧事情、風俗譚、文学活動と多岐に渡る視点で甦らせた東京のあの頃。荷風は何をしていたのか、荷風は何を考えていたのか、荷風は何を食べていたのか、荷風はどんな女を抱いたのか、荷風は何を書き続けていたのか。戦後の「荷風ブーム」はなぜ可能だったのか。谷崎潤一郎を初めとして多彩な交遊関係はいかに築かれたのか。『濹東綺譚』以後、作品を発表しようとしない荷風は何をしていたのか。本書は浩瀚な文献を駆使して、数々の疑問に答えて、ある時代の相貌を鮮やかに浮かびあがらせる。>
●百足 光生(ももたりみつお) 1949年生まれ。1968年宮城県仙台第一高等学校卒業。明治大学文学部史学地理学科日本史専攻卒。呉 光生名義による著書に『大江戸ビジネス社会』(小学館文庫)、高橋敏夫(早稲田大学教授)との共著『藤沢周平と江戸を歩く』(光文社) 。執筆に携わった単行本には、江戸文化歴史検定公式テキスト『大江戸見聞録』、原田信男編『江戸の食文化』(いずれも小学館)等。